FOCUS
下肢末梢血流評価にはSPPがよいのかTcPO2がよいのか—その使い分けは?
宇都宮 誠
1
1TOWN訪問診療所城南院
pp.1350-1353
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209190
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はじめに
末梢動脈疾患(peripheral artery disease:PAD)に対する非侵襲的血流機能評価の方法として最も簡便かつ有用なのは足関節上腕血圧比(ankle-brachial pressure index:ABI)もしくは足関節血圧(ankle pressure:AP)である.しかし,病態がより重度となりRutherford分類で4以上,特に創傷を有する5ないし6の状態,いわゆる包括的高度慢性下肢虚血(chronic limb-threatening ischemia:CLTI)の状態となるとABIやAPで下肢への大血管の血流を評価するだけでは不十分である.より末梢での血流評価を行うためには足趾血圧(toe pressure:TP)も用いられることがあるが,さらに皮膚近傍での血流を評価するために皮膚灌流圧(skin perfusion pressure:SPP)もしくは経皮酸素分圧(transcutaneous oxygen tension:TcPO2)を用いて評価することが多い.本稿ではSPPとTcPO2の違いと使い分けについて解説する.
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