技術講座 生化学
血中タクロリムス濃度
土筆 智晶
1
1北里大学病院臨床検査部
pp.716-720
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208737
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Point
●血中タクロリムス測定法は免疫学的測定法が主体であり,迅速性や簡便性に優れているが,試薬で用いられる抗体の特異性や交差反応性により方法間差が認められる.
●タクロリムスは赤血球移行性が高いため,血中濃度測定は全血を試料として前処理(除蛋白)が必要である.
●移植領域における維持期では,タクロリムスは低用量で使用されることがあるため,測定法には低濃度における精確性が求められている.
●全血を試料としているため,血漿成分の影響により測定系に非特異的な反応を引き起こし,結果として測定値が偽高値となることがある.
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