増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法
真菌
アスペルギルス属菌—Aspergillus spp.
田澤 庸子
1
1NTT東日本関東病院臨床検査部
pp.398-400
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208332
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Summary
アスペルギルス(Aspergillus)属は自然環境に広く存在し,発酵食品や医薬品,酵素,有機酸などの製造過程で使用される菌種がある一方で,ヒトや動物の日和見感染の原因となる菌種,マイコトキシンの産生や食品汚染菌として食品衛生上問題となる菌種がある.Aspergillus属のうち,ヒトにアスペルギルス症を引き起こす菌種として最も多く分離されるのはA. fumigatusである.Aspergillus属を目的とした分離培養は,真菌用培地で35℃一夜培養後,1〜2週間室温培養する.同定は,巨大集落の観察(色調,発育速度,表面の性状)および顕微鏡学的形態観察の所見から既知菌種の形態と照合して同定する.
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