増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法
グラム陰性桿菌
腸管出血性大腸菌—Enterohemorrhagic Escherichia coli(EHEC)
磯崎 将博
1
1天草地域医療センター検査部
pp.300-302
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208300
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Summary
腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症に関する世界で最初の報告は,1982年の米国ミシガン州とオレゴン州で発生したハンバーガーを原因とするO157:H7集団感染である1).日本においては1990年に埼玉県の幼稚園で井戸水汚染による集団感染が発生し2),1996年には全国的な発生が確認され社会問題となった.以降,EHECのなかでも,とりわけO157については多くの医療機関でも積極的に検査が実施されるようになった.一方で,O157以外の血清型については見落とされることも多い.そこで本稿では,従来のEHEC検査の問題点に触れ,EHECを見落とさないためのポイントを解説する.
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