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肝細胞腺腫の最新事情—WHO分類2019に基づく分類と考え方
佐々木 素子
1
,
中沼 安二
2
1金沢大学医薬保健研究域医学系人体病理学
2福井県済生会病院病理診断科
pp.12-15
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208224
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はじめに
肝細胞腺腫(hepatocellular adenoma:HCA)は良性肝細胞性腫瘍で,教科書的には,背景肝疾患のない女性に経口避妊薬に関連して発生する.欧米に多く,日本を含めたアジアでは比較的少ない.WHO(World Health Organization)分類2010で初めて,遺伝子型,表現型によるHCAの亜型分類:①HNF-1α(hepatocyte nuclear factor 1α)不活化型(H-HCA),②β-catenin活性化型(b-HCA),③炎症性HCA(inflammatory HCA:IHCA),④分類不能型(unclassified HCA:u-HCA)が掲載された.2019年の新しいWHO分類(以下,WHO分類2019)では,さらにb-IHCAなどの新しい亜型が追加された1,2).
本稿では,新WHO分類2019に基づき,亜型分類と臨床動態の違い,免疫染色などについて,ポイントや注意点を簡単に解説する.
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