増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説
付録 教科書には書いていない採血のコツ
血管迷走神経反応(VVR)の回避法:「患者を笑顔に!」
杤尾 人司
1
1神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
pp.375
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207947
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血管迷走神経反応(vasovagal reaction:VVR)とは,心理的不安を抱きながら極度に緊張した際に,一時的に気分不快,冷汗,顔面蒼白,失神などが生じることをいう.正確なメカニズムは不明であるが,迷走神経の興奮による血圧の低下や徐脈により,脳貧血を起こすと考えられている1).
静脈採血時には,針が刺さることへの恐怖や痛みに対するストレスが原因となって,しばしばVVRが生じることがある.その頻度は1%未満とされているが1),多数の採血を行っている外来採血室では,決して小さな値ではない.
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