過去問deセルフチェック!
解答と解説
pp.888
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207299
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心電図波形に余計な電気信号(アーチファクト)が入ってしまうと,心電図波形が見にくくなるだけでなく,誤った診断を下すこともある.そのため心電図を正しく判読するためには,できるだけアーチファクトを除去することが大切である.
アーチファクトには,交流障害,筋電図の混入,基線の動揺の3つがある.心電図のⅡ誘導を拡大すると,基線部分に規則正しい波が連続的に認められる.これは交流障害(hum)と呼ばれるもので,周波数は50ないし60Hzである.交流障害の原因は,電源コードと電極を装着している人の間に起こる静電誘導,配線に電気が流れるときに起きる電磁誘導,コンセントから漏れている微弱な交流電流などがある.これらの原因を除去するためには,併用機器を遠ざける,不要な電気プラグをコンセントから抜く,周辺で電気機器を使用しない,誘導コードを束ねる,皮膚と電極との接触抵抗を小さくする,アースを確実に装着するなどの方法がある.特に電気毛布,電気アンカ,モーター類などの電気製品が交流障害の原因になりやすいため,近くにあれば電源を切り,コンセントから抜くとよい.
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