書評
臨床検査技師のための 血算の診かた
徳竹 孝好
1
1長野赤十字病院輸血部
pp.1291
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206996
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
初学者からベテラン技師まで血算を読むスキルが上がる一冊
本書の特徴は,(1)豊富な症例の提示,(2)血算データのわかりやすい解説,(3)異常がみられた場合の検査技師の役割,(4)医師が異常を見逃す可能性があること,(5)医師も検査技師も異常を見逃してしまった場合,など,血算データをどう読むかで患者の診断と治療がいかに正しい方向に進められるかを解説している本である.各症例に医師と検査技師の見逃しやすさについて,それぞれ星マーク3つで示されている点も面白い.
私が岡田先生に初めてお会いしたのは平成25年の冬である.面識もない私の手紙一つで,長野県技師会の「信州血液検査セミナー」の講師として,湯田中温泉まで駆けつけてくださったことに役員一同感激したことを思い出す.さらに,当時先生が出版された『誰も教えてくれなかった血算の読み方・考え方』1)の内容の一部を,症例を提示しながら熱心に講演いただいたことが昨日のことのように思い浮かぶ.またクームス試験(抗グロブリン試験)を考案したCoombs先生は「クームズ」と読むことを教えられ参加者は皆驚いた(本書にも「クームズ試験」と記載されている).
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.