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「“風疹ゼロ”プロジェクト」始動!
奥田 美加
1
,
平原 史樹
1
1独立行政法人国立病院機構横浜医療センター産婦人科
pp.808-811
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206915
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はじめに
読者の皆さんは,自分に風疹抗体があるかどうか知っているだろうか.2013年に風疹の流行があり,患者の中心は成人男性であったことを知っているだろうか.医療機関での勤務や実習の前に,風疹や麻疹,その他の感染症の抗体検査を実施する施設は少なくないと思うが,抗体陰性と言われた人は,ちゃんと予防接種を受けただろうか.
妊娠中,特に妊娠初期に風疹ウイルスに感染すると,胎児に影響を及ぼし,白内障や先天性心疾患,難聴などをもって生まれてくることがある.先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome:CRS)と呼ばれるこの疾患は,発生を防ぎ,なくすことが期待できる数少ない先天異常の1つである.本稿では,「“風疹ゼロ”プロジェクト」の始動を受け,風疹とCRSについて私たちが知っておくべきことを解説する.
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