オピニオン
現代のニーズに適した臨床検査技師教育
長村 洋一
1
1鈴鹿医療科学大学保健衛生学部
pp.664-665
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206883
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医療全般のなかで臨床検査技師が担っている役割
私は長年臨床検査技師教育に携わってきたが,そうした私の経験から臨床検査技師教育に何が必要かについて言及するとすれば,極めて単純ではあるが“時代の要求する人材の供給”である.衛生検査技師から始まった臨床検査技師の歴史を教育サイドから見てきて,私は,医療現場において,臨床検査技師は,医師と同じようなレベルで病院内全体の流れを的確に判断できる人材として,抜群の能力を有していると判断している.
病院の大きな業務は,患者の診断と治療であるが,そのどの段階においても臨床検査データが必須の要素である.臨床検査技師はいまや化学検査,生理検査,病理検査,MRIや内視鏡検査まで,ほとんど全ての検査に携わることができる.したがって,院内で訓練を積めば,患者の健康状態の判断が医師と同じような範疇でできる.臨床検査技師にこのような能力があることは,大学病院などの医療技術部長の多くを臨床検査技師が担っているという事実から推測できる.私は,このように院内の重要な部門のまとめ役になることを想定して教育を行うことが,臨床検査技師教育に大切なことの一つと考えている.
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