連載 生理検査のアーチファクト・3
—超音波検査③—剝離内膜のように見える多重エコー
種村 正
1
1心臓血管研究所付属病院臨床検査室
pp.486-488
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206828
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こんなアーチファクトを知っていますか?
Valsalva洞〜上行大動脈内に見える帯状エコーは何でしょうか?(図1)
一見すると可動性があり大動脈解離の剝離内膜(intimal flap)のように見えるが,線状ではなくぼんやりした帯状に見えることから,アーチファクトのようにも見える.このような可動性があるエコー像が描出されたら,まず,Mモード法で動態を観察することが重要である.Mモード法で見ると,収縮期には厚みが増して大動脈前壁に近づき,拡張末期には厚みが薄くなって大動脈後壁に近づいていることがわかる.なおかつ,その動態は大動脈前壁の動きに似ているが,その振幅がより大きいことがわかる(図2).これらの特徴は,多重エコーであることを示している.
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