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あとがき・次号予告
高木 康
pp.176
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206761
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先日視聴した「さだまさしのTVコンサート」で,心を揺さぶられる話を聞きました.ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がエッセイ「仏像の微笑み」で,「日本人は,欧米に追いつけ追い越せとするそのあまりに,永く深い文化と伝統を捨て去って,西洋人の合理的な心まで輸入しようとしているようだ」,「勤勉で優秀な日本人の造り出す工業製品の多くは,やがて欧米の製品の品質を遥かに超えるものになるだろう」,「だが,そうなった頃,日本人はもう日本人ではなくなって,日本人にとてもよく似た西洋人になっているだろう」,続けて「そして,そうなってしまった時,初めて日本人は,かつて自分たちの町の角や村の辻々に立っていた仏像のなんとも言えない優しい微笑みにあらためて思い当たる日が必ずやってくるだろう.何故かというと,その仏像の微笑みこそが,かつての彼ら(日本人)自身の微笑みだからだ」と綴っているそうです.まさに慧眼です.
第45巻2号をお届けします.今号も興味のある論文が満載ですが,特に“「検査と健康展」の全国開催”は,日臨技と検査専門医会との共催で,検査とそれに携わる医療人を一般市民に知ってもらう重要な祭典として数年前から開催されている「検査と健康展」の紹介記事です.中央大会として昨年度は広島県で,本年度は奈良県で開催されました.市民の認識度はそれほど高くない臨床検査技師と検査専門医の仕事・価値を知ってもらうよい機会です.ぜひ,ご一読ください.
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