過去問deセルフチェック!
解答と解説
pp.67
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206726
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血液学的検査のなかで,血液像観察の重要性は申し上げるまでもありません.顕微鏡で芽球の増加を確認して急性白血病の診断がつくなど,本誌でも多く勉強されたと思います.一方,血小板の病気においても,血液像が重要ということは,ややもすると忘れがちです.今回は,血液像から血小板疾患を考えてみましょう.
血小板の形態異常で最も重要なものの一つが,巨大血小板です.通常,血小板の径は2〜3μmですが,赤血球の大きさ(7〜8μm程度)よりも大きい場合に巨大血小板と称することが通例です.問題1の図で示されているのは,典型的な巨大血小板といえます.Bernard-Soulier症候群やMay-Hegglin異常に代表されるMYH9異常症などは先天性巨大血小板性血小板減少症として有名ですが,これらの診断の際には,鏡検で巨大血小板を確認することが必須です.問題2では図は示されていませんが,巨大血小板とリストセチン惹起血小板凝集能の障害という,Bernard-Soulier症候群の検査所見が問われています.なお,巨大血小板の際には血小板数偽低値を起こす可能性があることも知っておく必要があります(問題1).これは,自動血球計数器では血球の容積情報をもとに血球が判別されるためです.
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