技術講座 移植医療
—step up編—造血幹細胞移植に用いられる細胞の解析方法—フローサイトメトリーによる造血幹細胞解析のポイント
池本 純子
1
1兵庫医科大学病院輸血・細胞治療センター
pp.404-409
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205912
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
●造血幹細胞移植には,患者とドナーの関係から,自家移植・同系移植・同種移植があり,移植する幹細胞源の違いから,骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植がある.
●移植細胞の起源による,測定サンプルの取り扱い注意点がある.注意点はそれぞれ,①骨髄液:サンプリング時の均一な混和と血漿や赤血球除去時の処理の評価,②末梢血幹細胞:細胞濃度の高いサンプルにおける希釈操作や細胞数の算出,③臍帯血:微量サンプルでの検査体制の構築と品質評価である.
●CD34陽性細胞数測定の標準化において,絶対数測定用の内部標準ビーズをサンプルに混和し,フローサイトメーターのみで目的とする細胞の絶対数を測定する方法(シングルプラットフォーム法)が推奨されている.
●CD34陽性細胞数測定は,各メーカーの推奨するプロトコールに従うことで,機器設定や解析の誤りを防ぐことができる.また,正確な測定には,使用物品の管理や機器のQCも重要である.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.