基礎実習講座
逆浸透法による水の精製
白井 惣之助
1
1東洋紡績コンサルタント
pp.183-188
発行日 1983年2月1日
Published Date 1983/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205425
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我々が一般に常水と呼び処理原水に用いる水は水道水および井水である.これらの水は雨として地表に降下するとき空気中のガス成分を吸収している.この成分が地中の成分を酸化,還元して溶解し常水中に含まれてくる.また生活廃水,工場廃水,鉱山・農業排水をはじめ放射性降下物,細菌などで汚染されている.これらの物質は河川を流れる間に自然の浄化作用によって変化し,浄水場で改善されてはいるが,そのまま使用しうるのはごく限られた用途にしか過ぎない.そこでこれを浄化精製するのであるが,地域差による原水質の相異と使用目的によってどの形式を用いるか容易に判断できないものである.
従来水の精製と言えば,そのほとんどをイオン交換,蒸留などに頼ってきたが,精製水の使用範囲,水量の増加,非イオン物質の増加,省エネルギーの立場などから新しい精製法の出現が求められていた.
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