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第1回臨床工学技士国家試験 講評
池田 研二
1
,
川崎 忠行
2
1東京大学医学部附属医用電子研究施設
2関東労災病院人工腎臓センター
pp.117-119
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204852
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[午前の部]問題1〜48(医学概論,臨床医学総論)
今回初めて行われた臨床工学技士国家試験は,対象とする臨床工学技士に臨床,特に治療の場での患者の生命維持に直接関与する機器・装置の操作・運用をまかせるためのものであり,これまでにない大きな責任を工学系出身者が課せられることになる.したがって,これらの機器・装置に関連する工学技術に対しては,当然ながら,それらが生命を左右するものとして患者に直接接続される以上,患者の存在を通して臨床工学技士は医学的知識をある程度身につけ,臨床の場での医師の指示を的確に理解し,特に緊急事態においても医用機器,装置の操作を通して適切な処置に協力できる必要がある.
現代の医用機器・装置は日進月歩で,工学技術の側でも学ぶべき知識はどんどん増えており,臨床工学技士を目指す者がこれら膨大な知識を十分に消化すること自体,たいへんと思われるが,その責任の重大さを考えれば,さらに医学知識や考えかたをかなりの程度まで身につけておくことが要求されることもまた理解できよう.
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