ザ・トレーニング
基準電極が活性化した脳波例の技術的対策
平賀 旗夫
1
1東北大学中央検査部
pp.1335-1338
発行日 1987年11月1日
Published Date 1987/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204338
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基準電極の活性化とは何か
Q 基準電極の活性化とは何のことですか.
A いわゆる単極導出(正しくは基準導出)で生体現象を記録するとき,基準電極(referencial electrode)はすべての生体現象に関して零電位であることが理想なのですが,脳波ではこれがなかなか難しいのです.定義としては,基準電極に生体電気活動が波及して,電位をもつことを「基準電極の活性化」(active reference electrode)といい,その結果,基準導出の各導出(素子)における記録波形,特にその部位的分布に歪みが生じてしまうことになります6〜8).例えば図1のように,診断に使おうとしている異常波についてこれが起こると,たいへん判読がしにくくなりますから,記録中に的確に見分けて対処しなければなりません,早く気づかないと,分布歪みのある基準導出モンタージュのままで,過呼吸,光刺激などの賦活をやってしまい,双極導出になってからやっと気づく,などというぶざまな記録を作ってしまうのですね.
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