臨床生理検査と技術 Ⅴ 脳波検査
[4]脳波検査の記録手技
小原 甲子
1
1日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部
pp.539-541
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204097
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最近の脳波計は,私どもが記録を始めたころとはたいへんな違いであり,まず小型化され,ハム,ノイズの混入も非常に少なくなり,新人でも容易に記録できるようになった.極端にいえば電極をつけてボタンを押すだけで,脳波らしき波形は初めて脳波計を扱う人でもなんとなく記録できるのである.このことは逆に,経験を重ねてきた私どもにしてみれば,とても危険なことだと思う.極端には電極が落ちていても記録できるのである.一方,便利になったことの一つに,ブラウン管で被検者の状態を終始観察できる点がある.また小型化したことによってICU,手術室,病室へ移動して記録することも容易になる反面,波形とアーティファクトとの鑑別が時として煩雑になってきている.容易に記録できることはよいのであるが,技師としての取扱いかたを誤るとはっとするような事態を生じかねない.このような意味からも,電気的な知識も加えて勉強することを望むものである.
そこで本稿では,脳波記録上の手技および注意点について以下に述べたい.
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