臨床生理検査と技術 Ⅴ 脳波検査
[3]電極配置とモンタージュ
石山 陽事
1
1虎の門病院臨床生理検査部
pp.534-538
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204096
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頭皮上の電極数とその取り付け位置については古くは脳波の先駆者たちが独自に考案したものを,それぞれもっともよい方法であるとして使用してきた.中でも,カナダのモントリオール研究所のJasperによる10/20法,イリノイ州シカゴのGibbs夫妻によるGibbs法(Illinoi法),サンフランシスコのAird法,ロンドンのCobb法,マルセイユのGastaut法など多くの電極配置法が使用されてきた.しかし1958年,Jasperが国際脳波・臨床神経生理学会に10/20法を国際的に使用することを提案して以来,世界的に10/20法が広く用いられるようになった.
わが国でも当初,10/20法,Aird法,Gibbs法や各施設独自の変法を含めて種々の方法が採用されていたが,各施設間で脳波記録の相互比較が難しいこと,外国のデータとの互換性が十分でないことなどから,電極配置およびモンタージュの標準化の作業が1982年に日本脳波・筋電図学会によって開始された.これによってわが国の臨床脳波検査の最低水準の維持に役だつものと期待された.やがて1984年日本脳波・筋電図学会・脳波電極および導出法委員会(大熊輝雄委員長)より10/20電極配置法を基本とする「臨床脳波検査標準モンタージュおよび臨床脳波検査用電極と基準導出法の使用指針」が示され,今日に至っている.
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