Sennior Course 生理1
脳波記録時の患者への接し方
原 俊夫
1
1北里大・精神神経科
pp.1046
発行日 1971年10月15日
Published Date 1971/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907351
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1.患者はすべて不安をいだいている
われわれ自身が何かの病気で病院を訪れたとしよう.われわれは病院にはなじんでいるにもかかわらず,診察を受けたり検査されたりするときには不安になる.ましてや,一般の患者さんの気持は,なおさら不安であり,あるいはイライラしているに違いない.
このようなとき,病院勤務者すべての応待のしかたが,患者に対してどのような心理的影響を与えるかは容易に想像できるであろう.患者とは,決して単に‘病んだ臓器をもっている人’なのではなく,‘病んだ臓器をもって悩み,不安になっている人’なのである.すなわち,患者への接し方の根本は,患者を単に身体を病んだ人としてではなく,そのために悩み,不安をいだいている人としてとらえるところにある.
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