形態学的検査と技術 血液と病理
血液
[4]造血能と免疫学的検査
[B]幹細胞の分化と異常に関する検査
3)巨核球系前駆細胞(CFU-Meg)
杉本 正邦
1
,
若林 芳久
1
,
村田 弥恵子
2
1順天堂大学医学部内科
2順天堂大学医学部共同病理研究室
pp.483-486
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203676
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はじめに
正常ヒトの末梢血液中には赤血球,顆粒球,単球,リンパ球,血小板が認められるが,これらはいずれも成熟した血液細胞である.
近年in vivoおよびin vitroでの,マウスやヒトの造血細胞の研究が著しく発展し,多能性造血幹細胞(各種の血液細胞に分化しうる能力をもった造血幹細胞)を含む,各種の造血幹細胞の培養が可能となり,マウス,ヒトの各血液細胞の分化・増殖の過程がしだいに明らかになってきた.その結果,すべての血液細胞は,なんらかの因子(例えばエリスロポエチン)の作用により,すべての血球成分に共通な多能性造血幹細胞から分化・増殖してくると考えられている1).
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