アーチファクト
血液—デンプン結晶
亀井 喜恵子
1
1日本大学板橋病院臨床検査部
pp.916
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203166
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骨髄像や髄液細胞検査の際に,しばしば類円形ないし六角形状の光沢のある結晶を見かける.最初に遭遇したときは病的な出現ではないかと疾患との関連性を検討したが,特に意義は見いだせなかった.何の結晶か調べた結果,デンプン末であることが判明した.さらに混入経路を追跡した結果,穿刺時に医師が用いる滅菌手袋の滑りどめとして用いられており,穿刺時に穿刺液中に混入したものであることが明らかとなった.
デンプン結晶は細胞に付着しやすく,付着した細胞は形態変化を起こし,細胞鑑別が困難な場合も生ずる.また特殊染色標本などでは,PAS染色のように強染することもある.
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