検査を築いた人びと
基礎代謝測定法を考案した アウグスト・クローグ
深瀬 泰旦
1
1順天堂大学医史学
pp.786
発行日 1984年9月1日
Published Date 1984/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203130
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甲状腺ホルモンは体内の酸化機転を調節する作用をもっており,分泌が過剰になると酸素の消費量が高まり,基礎代謝は亢進する.したがって甲状腺の機能診断には,基礎代謝の測定は欠かせない.基礎代謝の測定法には直接法と間接法とがあるが,臨床的には後者が用いられ,これにも種々の装置が考案されている.クローグの装置もその一つである.
1920年ノーベル生理学・医学賞受賞の対象となったクローグの研究は,毛細血管の運動調節である.クローグは血液中の気体の結合状態や,いろいろな組織における酸素と一酸化炭素の交換などの領域を主な研究分野としていたが,脊椎動物や昆虫の新陳代謝に関する多くの研究をはじめ,熱調節や呼吸新陳代謝の分野でも数多くの業績を残した.
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