技術講座 輸血
唾液による血液型物質検出法
冨田 忠夫
1
1大阪府赤十字血液センター検査一課
pp.710-714
発行日 1984年8月1日
Published Date 1984/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203111
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血液型の中でも特にABOシステムにかかわる血液型物質(A,B,H)は,そのヒトの全身に分布しており,またこれら型物質は,体からの分泌液や体液中にも含まれている.ただ,唾液中には遺伝的に型物質を分泌している(分泌型)人と,分泌していない(非分泌型)人とがあり,Lewis式血液型とも関連がある(表).
血液型検査は,主に血液のみで型判定は可能であるが,まれに血液だけでは型判定困難な亜型,変種がある.これらのABO型を確定するとき,時として唾液,尿などが検体として用いられるが,ことに唾液中の型物質とその分泌の有無は判断の重要な手がかりになる.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.