マスターしよう基本操作
毛細血管抵抗試験
小林 紀夫
1
1群馬大学医学部第3内科
pp.245-250
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202717
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止血は血管を中心としておこる反応である.血管壁の止血における反応は,局所的なものと全身的なものとに区分される.前者は血管収縮と止血血栓形成であり,止血機序の中心をなすものである.後者は止血機構の背景をなすもので,血管運動神経やACTHなどを介する血管緊張,血管壁の栄養(蛋白,脂質,ビタミンCなど),電解質,ホルモン,血圧,血流,組織圧,血液のPO2,PCO2,pHなどが関与し,これらの諸要因が血管壁の性状を変え止血に影響を与える.血小板は止血血栓形成で中心的役割をはたしているが,血管壁の抵抗性を保つうえでも重要な働きをなしていることが知られている.この血管壁性状の障害は,臨床的には毛細管あるいは微小動脈壁の脆弱性あるいは透過性の亢進として把握されている.毛細抵抗試験はこの毛細管の脆弱性を測定する方法で,陽圧法と陰圧法がある.
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