検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
グリコシレーテッドヘモグロビン測定の意義
冨山 元次郎
1
1日本医科大学臨床病理
pp.874-879
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202595
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糖尿病の検査には尿糖,血糖,インスリン,C-ペプチド,グルカゴンなどの測定が行われているが,糖尿病患者のコントロールの指標として最近グリコシレーテッドヘモグロビン(グリコヘモグロビン;HbA1)の測定が流行している1).糖尿病の3大合併症として細小血管が特異的に障害される網膜症,腎症およびニューロパチーが有名であるが,今日の糖尿病治療におけるもっとも重要な課題の一つはこれら合併症の発症と発展を阻止することにある.そのためには患者の毎日の尿糖,血糖の管理がもっとも大切であり,適切なコントロールの指標になるような検査法が望まれていた.1978年新しくHbA1の測定法が開発され,臨床検査室で実施できるようになったことは近代糖尿病学の進歩,発展にはかり知れない意義をもつものである.
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