コーヒーブレイク
シロアム会の交わり
O T.
pp.182
発行日 1980年2月1日
Published Date 1980/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202007
- 有料閲覧
- 文献概要
昨年11月中旬,私たちは上野発の急行列車で,草津温泉を目指して出発した.癩患者の療養施設である栗生楽泉園を訪れるためである.今年は例年に比べ気候が温暖であったせいか,渋川を過ぎると窓外には美しい紅葉に包まれた山肌が目につく.上野原駅で下車すると東京とは違った冷気に思わず首をすくめ,急ぎ足で草津温泉行きの国鉄バスに乗り込んだ.カーブの多い山道をバスは草津高原へと進む.
栗生楽泉園は海抜1,100メートルの草津高原にあり,南に浅間山,西に上州白根山を望む実にすばらしい自然の美に恵まれている.もう一つの恩恵は温泉である.園へ行く途中"湯畑"という所で温泉がわき出しており,園のお風呂の湯もここから引いているのだと聞いた.ここの温泉は酸性が強くpHは2ぐらいで五寸釘やコンクリートが溶けるのだそうである.このため各家庭にはアルカリで中和した水が送られているとのことであった.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.