コーヒーブレイク
和三盆
Y. M.
pp.1010
発行日 1979年12月1日
Published Date 1979/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201970
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本誌7巻9号の京菓子という題で本欄に,京都に住む筆者が,徳島へ行ったとき,おみやげに菓子を買って帰ろうとしたら,菓子屋のおばあさんに,京都にお菓子を買って帰るバカはいないよと言われたと書かれている.
京都には,古くから上級菓子の京菓子があるからである.ではそれらの菓子の甘味は何を用いたのだろうか.唐菓子の時代は,まだ我が国に製糖法がなく,遣唐使はわずかな量の砂糖を持ち帰ったが,薬用に用いられ,菓子には,甘葛(あまずら)のつるを煎じた甘汁を砂糖の代用にしたという.16世紀初めに砂糖が輸入されるようになったが,なお薬用で,一般に消費されるのは16世紀末期らしい.
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