測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
赤血球浸透圧抵抗と溶血
川越 裕也
1,2
1大阪大学
2大阪大学付属病院輸血部
pp.785-789
発行日 1978年10月1日
Published Date 1978/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201706
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赤血球は両面凹状の円板を呈し,表面積を拡大させるとともに血管内流動性を高め,組織への酸素供給を便ならしめている.この赤血球が低張塩溶液ないし水に入るとき膨化し球状となり,ついに溶血に至る.赤血球の種々の状態により容易に溶血する場合と溶血し難い場合があり,この低張塩溶液に対する赤血球の浸透圧抵抗性の検査により,赤血球の状態を知ろうとするのが赤血球浸透圧抵抗試験である.ここでは赤血球の浸透圧抵抗を左右する因子について解説し,赤血球浸透圧抵抗試験の一般的な注意事項についても言及する.
赤血球浸透圧抵抗に関与する因子には赤血球膜の生化学的変化,赤血球の形態及び赤血球内ヘモグロビンがある.これらについて正常状態と病的変化とそれを生ずる場合を考察する.
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