おかしな検査データ
血清無機リン値変動の追跡—副腎ステロイド剤による血中IP値の変動
屋形 稔
1
1新潟大学中央検査部
pp.766-767
発行日 1978年9月1日
Published Date 1978/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201702
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1.発 端
私たちの生化学検査室で時々臨床全科に各項目の精度に関する意見をアンケートしているが,その中にある内科から最近無機リン(IP)の値が変動するというクレームがあった.
IPの担当技師はびっくり仰天,x-R管理図を提示してきちんとした管理ぶりを強調して,時期的にいつごろのことかを尋ねた.その結果,最近始まったことでなく,数年前から時折不明の変動があり,臨床的意味づけに困ることがあるということを確かめた.そこで原因を追究すべく,臨床側の協力を得てカルテ調査を開始,たしかにコンスタントな値を示しているIPが,突然低値を来している例を何例か発見した.
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