知っておきたい検査機器
Beckman System TR
池田 清子
1
1東京慈恵会医科大学病院中検
pp.653-656
発行日 1978年8月1日
Published Date 1978/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201680
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Beckman System TR(以下TRと略)は酵素活性の初速度分析専用器としてアメリカで1973年,日本では1974年に発売された.開発に当たっては第1により真値を求めるための理想的条件をできるだけ満たすこと,第2に操作が簡単であることの両方が重視されたと聞いている。第1の条件を満たすためには反応の直線部分検出に微分方式を採用している点に特徴があり,これについては後述する.第2の条件のためには押しボタン方式が採用され,項目ボタンが波長,吸光度の増加または減少,反応時間の許容限界,測定誤差の許容範囲などの選択を自動的に行うので,オペレーターは試薬と試料をセット後,0・100%を合わせ,係数を確認し,スタートボタンを押せば自動的に測定が始まり信頼性の高い値が打ち出される.種々ある自動分析器のなかでは操作の簡単な部類に入る.
光学的にはダブルビーム方式であり,ブランク反応が必要な場合には同時に進行させることができる.
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