技術講座 細菌
Aeromonasの分離と同定
猿渡 勝彦
1
1長崎大学検査部
pp.299-305
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201598
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各種臨床材料から検出されるブドウ糖発酵性のグラム陰性杆菌は腸内細菌が大半を占めるが,それ以外の菌種もまれならず検出される.Aeromonasもブドウ糖発酵性の菌種ではあるが,腸内細菌には属さず,本来水生菌で魚及び両棲類の病原菌として知られていた.ヒトに対する病原性は1954年Hillらによる敗血症例の報告以来現在までヒトのその他の感染症例からの分離も含め,かなりの報告がなされている.
本菌は,しばしばE. coli,Enterobacter cloacaeと誤られて同定されやすく,また本菌属の細部については分類学的になお多くの論議がなされているが,本稿では,Bergey's Manual第8版(Schubert)14)の分類に従い種及び亜種について述べるが,その中のAeromonas salmonicidaはAeromonas属と多くの性状を異にするので,これをNecromonas salmonicidaとしたSmithの分類15)を支持し,この菌種をAeromonas属から除外し,検査法を主体にAeromonas属菌に考察を加え記載する.
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