病気のはなし
急性肝炎
上野 幸久
1
,
遠藤 了一
1
1三宿病院
pp.164-170
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201295
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
急性肝炎は肝炎ウイルスによって引き起こされる全身的感染症であり,主として肝に著しい病変を起こす疾患である.肝炎ウイルス以外の病因による急性肝障害,つまり伝染性単核症,Weil病,薬剤性あるいはアルコール性肝障害は,専門的立場からは急性肝炎とは区別して取り扱われるのが通例である.
肝炎ウイルスにはウイルスAとBの2種があることが疫学的検索,血清学的並びに臨床実験などにより確かめられ,それらによる肝炎はそれぞれA型肝炎及びB型肝炎と呼ばれており,A型は従来流行性肝炎と呼ばれていたものに,B型は血清肝炎と呼ばれていたものに相当する.なお最近では更に少なくとももう一種類,A型でもB型でもない(non A,non B)肝炎の存在がほぼ確実視されている.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.