技術講座 生化学
総タンパク質
正路 喜代美
1
1東大病院中検
pp.58-62
発行日 1975年5月1日
Published Date 1975/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200789
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種々のタンパクの集合体(免疫血清学的に分別すると90〜100種に及ぶ)である血清総タンパクの定量法は,表に示すように,大別して物理的性質の定量法と化学反応による定量法に分けられる.
重量法は,加熱により凝固沈殿したタンパクを乾燥して秤量する.一般的には標準法と考えたいが,沈殿物の水分を完全に除去することが困難であること,血清試料を大量に得ることが不可能であることから実用的でない.比重法は,比重計や1滴の試料で測定できる装置などにより求める2).硫酸銅にて種々の比重系列(1.015〜1.035〜1.075)溶液を作っておき試料を1滴滴下し浮遊する液の比重を求める.これはタンパク質溶液の表面が硫酸銅と凝固膜を形成し,同比重の溶液中で水分が内部に浸透するまでの間浮遊する.迅速を要する輸血時の血液の比重測定に広く利用されているが,血清の比重より血清タンパク量の換算は,血清タンパク(g/dl)=366×(Gs-1.0065)Gs:血清の比重による3〜5).
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