おかしな検査データ
入院したら血清総タンパクが低下
中山 年正
1
1虎の門病院生化学科
pp.49
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200480
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数年前の話で恐縮であるが,昼下がりの院内喫茶室での談合中のことである.おもしろい話であったので要約して紹介してみよう.
"肝炎のため入院した症例だが,肝機能検査異常のほか血清総タンパクがやや低かった.治療(肝障害,栄養不足)のため,どんどん栄養をつけたところ,肝機能は正常化して全身状態も良好となったのに,総タンパクは依然として改善せず正常値下限を切っていた.いつまで入院させておくこともないだろうと退院させたところ,なんと初回の外来検診で総タンパクは正常になってしまったのだ.入院すると血清タンパクは低下するらしい.ひょっとして病院食では十分な栄養が取れないのではないか"という内容である.
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