技術講座 細菌
血液の培養検査
小栗 豊子
1
1順大病院中検
pp.66-67
発行日 1975年2月1日
Published Date 1975/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200715
- 有料閲覧
- 文献概要
血液培養は流血中に細菌の存在が疑われる患者(敗血症,菌血症)が検査の対象となり,この際の検出菌の種類は実に広範囲に及んでいる(表).血液培養で菌が検出された場合はできるだけ早く適切な化学療法が開始されなければならず,従って検査成績の遅延は患者の生命の危険に直結することを深く認識して検査に当たらなければならない.細菌検査の中で血液,髄液,多くの穿刺液は最も重要な材料とされており,検査の失敗は絶対に許されない.これらの培養検査は菌の発育を見逃すことがないよう毎日注意深く観察し,菌の発育が認められた場合は直ちに検査をすすめ,得られた情報はそのつど至急依頼医師に連絡すべきである.
血液では材料中の菌数が少ない場合もまれではなく,従って液状培地を用いた増菌培養は欠くことのできないものとされている.血液培養法の種類は多いが,この中の主な2法の検査手順を図に示した.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.