マスターしよう基本操作
病理検査室におけるメスとぎの実際
内海 邦輔
1
,
油井 慎曄
1
,
栗原 恵都子
1
,
櫛部 依子
1
,
小野寺 令造
1
1国立東京第二病院研究検査科病理
pp.41-45
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200478
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病理検査室で,検査技師が朝の業務開始前の一刻,"ミクロトーム刀"をといでいるのはよく見かける風景である.スイスイと手が砥石の上を往復して,数分でとぎあげ,さっさとミクロトームの前に坐って薄切に取りかかる.見ているとごく簡単にとぎ上がるようであるが,さて実際にやってみると,なかなかうまくゆかない,始めは左右の手がうまく連係して動いてくれない.砥石の上でミクロトーム刀を水平に支えることができなくて,ガクンガクンと左右に傾き,ひどい時は砥石の角で刃をこわし,とぎ上げるどころか,逆に刃こぼれを増す結果になったりする.
今回は病理検査室で日常使用する刃物,つまり解剖刀,臓器刀,ミクロトーム刀の3者について,その研磨の実際を解説する.ミクロトーム刀の研磨がいちばんむずかしいので,これを中心に写真解説する.
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