最近の検査技術
遠心による自動化学分析機
斎藤 正行
1
1北里大臨床病理
pp.33-40
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200477
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臨床化学検査自動化の方式は大きく分けて2つある.1つはフローシステムといい,チューブの中を検体や試薬が次々と移動するテクニコン方式.他はディスクリートまたはピックアップシステムと呼ばれるもので,試験管中に検体や試薬が1患者分ごとに採量され,個別に反応が展開するもの.検体と試薬の混和は前者ではミキシングコイルで巧みに行いうるが,後者はマグネットとか振盪,空気攪拌といろいろくふうが行われるが反応系に干渉が起こったりしてよい方法が見つからない.また後者はせっかく各検体ごとに分離していながら,最後の比色のところではほとんどのものがフローシステムを採用せざるを得ず,前者の最大の欠点とされているキャリオーバー(前のサンプルの影響を次のものが受ける)の程度が後者で少しも減少していない.
こういう後者の欠点をみごとに解決したのがここでとりあげる遠心方式である.
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