病人と病気と病院
輸血部
小島 健一
1
1新潟大・輸血部
pp.12-15
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200415
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輸血は医療のなかできわめて重要な地位を占めているにもかかわらず,日本ではとかく安易に取り扱われてきている.しかし,輸血の持つ効果とうらはらに,その危険性も経験される機会が多くなるにつれ,より効果的かつより安全な輸血を願う立場から,輸血に関する専門職の独立が促されることとなった.
現在,輸血部が設置されている病院は残念ながら少なく,検査部の一部(多くは血清検査室または血液検査室)が輸血関係の検査を担当している所が多い.輸血業務が片手間の仕事では処理しきれないと考えられるような大病院ですら,前近代的な形で輸血業務が運営されている所が少なくない.しかし,輸血業務は検査だけではないうえ,輸血に関する検査自体もその特徴的な部分(後述)が中央検査部運営上の考え方からはみ出ると考えられ,輸血部独立の理由になっている.
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