オピニオン
生活習慣病改善指導士の現状と展望
中村 正
1
1医療法人川崎病院
pp.572-573
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104301
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生活習慣病改善指導士とは?
心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患は,働き盛りの人々を突然襲います.死亡率も高く,死を免れたとしても大きな障害を残します.わが国において,心筋梗塞や脳卒中は全死因の30%を占めており,大きな健康問題となっています.心血管疾患の重大な危険因子として,高LDL(low-density lipoprotein)コレステロール血症対策に次ぐターゲットとなっているのが,一個体に内臓脂肪蓄積を基盤とし,高血糖,脂質異常,高血圧を複数合併する,いわゆるメタボリックシンドロームです.
わが国でも2005年に診断基準が設定されました.さらに,急速に進む高齢化と医療費増大への対策として,厚生労働省は2008年に“メタボリックシンドローム”の概念を導入し,心血管疾患予防に重点を置いた特定健診・保健指導を開始しました.2012年に,日本肥満学会では,このメタボリックシンドロームを代表とする生活習慣病の改善にあたって,よりよい指導を行うため,また,有能な専門的知識および技術を有する職種の資質向上を図り,国民の健康増進に貢献することを目的に“生活習慣病改善指導士”制度を開始しました.
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