増刊号 解剖と正常像がわかる! エコーの撮り方完全マスター
Ⅶ章 血管〈頸動脈,腎動脈〉
小谷 敦志
1
1近畿大学医学部附属病院中央臨床検査部
pp.939-964
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104053
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頸動脈エコーの対象には総頸動脈,内外頸動脈,椎骨動脈が含まれる.これらの評価には,動脈硬化の指標とされる0.1mm単位の内中膜複合体厚を計測することやプラークの重症度評価などがある.また,パルスドプラ法で血流波形を観察することで,病変部位の重症度の診断や描出範囲外の病変の推定などが可能である.現在広く行われている血管内治療前後の評価にも頸動脈エコーは有用である.
腎動脈エコーには,腎動脈と腎臓の評価が含まれる.腎動脈エコーの目的の多くは,腎動脈狭窄症によって起こる腎血管性高血圧の診断である.粥状硬化症が多くの原因を占める腎動脈狭窄症は腎動脈起始部に好発し,ドプラ法を使って診断する.また,腎臓の実質内の血流や長径を評価することで腎機能も評価可能である.
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