オピニオン
臨床検査振興協議会の活動と今後
渡辺 清明
1
1国際医療福祉大学三田病院検査部
pp.475
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103945
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私が2013年3月まで8年間,理事長を拝命していた臨床検査振興協議会の活動を紹介し,そこで感じた臨床検査の課題と今後への期待について述べる.
今から約9年前の2004年当時のことであるが,検体検査実施料は1990年から約15年間にわたって下落し続け,この間に60%程度の大幅な減少をみていた.このままでは経済的に臨床検査室は追い込まれ,存続するのも困難であるという意見があった.あるときに私はこのことについて,たまたま業界の方々と話し合う機会があった.その頃,厚生労働省などからは,臨床検査の診療報酬を改善するためには検査の有用性とコスト調査が必要であり,そのエビデンスを添えて要望すべきとの意見を聞いていた.また,臨床検査業界が一致した要望意見を挙げることの重要性も聞いた.そこで私は,業界の方々と産学共同で参加する団体を設置し,そこから診療報酬の改善要望をするべきであると考え,臨床検査業界の有志の協力のもとに2005年に臨床検査振興協議会を発足させた.
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