増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典
Ⅴ 生理
脳波
吉本 紅子
1
1北里大学東病院臨床検査部
pp.887-893
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103311
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はじめに(検査の概要)
脳波とは,大脳皮質の神経細胞の電気的活動を導出し,脳波波形として記録する検査である.対象となるのは,てんかん,脳腫瘍,脳梗塞や脳出血などの脳血管障害,頭部外傷,脳炎などの感染症,睡眠障害,精神疾患などがあり,これらの疾患の脳波診断を行うとともに経過観察や治療効果,予後の判定,意識障害の確認から脳死の判定など,多彩な目的で臨床応用されている.
脳波検査におけるパニック値とは,①てんかんなどの臨床発作が起きた場合,あるいは起こしうる突発性律動波が確認された場合,②急変の可能性を示唆する波形が確認された場合,③検査目的と異なる異常波形が確認された場合などが該当する.また,経過観察中の症例でも,いつもと異なる異常波形が確認された場合は,医師に報告する必要がある.
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