増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典
Ⅴ 生理
心電図
富原 健
1
1帝京大学医学部附属病院中央検査部
pp.880-886
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103310
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はじめに
心電図は,心臓の筋肉で発生した電気現象を体表面から記録した波形図である.その電気現象を記録する心電図は,簡便で,非侵襲的であり,どこの施設でもすぐに行うことができる.しかも多くの情報が得られるため,スクリーニングや術前検査として,また循環器疾患の診断に最初に行われる欠かすことのできない基本の検査である.
心電図検査におけるパニック値とは,直ちに治療を必要とする危険な状態を示唆する心電図所見であるが,生理検査の特性である「患者と相対し,種々の検査機器を用い生体現象を捉える」ことから患者の状態が加味され,また検査時の患者急変も含まれる.パニック値が認められたならば,直ちに医師に報告しなければならない.
本稿では当検査部でのパニック基準とパニック例を中心に述べる.
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