病気のはなし
CADASIL
植田 光晴
1
,
安東 由喜雄
1
1熊本大学大学院生命科学研究部病態情報解析学分野
pp.672-676
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102867
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サマリー
cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy(CADASIL)は,Notch3の遺伝子変異による常染色体優性遺伝性疾患であり,遺伝性の脳卒中では最も高頻度で遭遇する疾患で,最近日本各地で報告されている注目の疾患の一つである.病理学的に血管壁の異常沈着物であるgranular osmiophilic material(GOM)が電子顕微鏡で観察されるという所見も認め,脳血管障害の病態に深く関与していると想定されている.本症は,若年発症,白質脳症,片頭痛,認知機能低下などの症候に加えて,特徴的な頭部MRI所見を呈する.これらの所見は診断に重要な意義をもつ.最終的な本症の診断確定には遺伝子検査でNotch3の変異を確認する必要がある.
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