技術講座 生化学
―ホルモンの測定シリーズ・9 副腎系:2―DHEA,DHEA-S,アルドステロン
明比 祐子
1
,
蘆田 健二
1
,
柳瀬 敏彦
1
1福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科
pp.1447-1451
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102691
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新しい知見
デヒドロエピアンドロステロン(dehydroepiandrosterone,DHEA)およびDHEA-sulfate(DHEA-S)は思春期以降の加齢に伴う漸減変動から老化指標となりうるが,同時に近年,その血中濃度と生存率の関係を検討した前向き疫学研究から,少なくとも男性においては長生き指標(高いほど長生き)としても有用であることが明らかとなった.レニン-アンジオテンシン-アルドステロン(renin-angiotensin-aldosterone,RAA)系は体液,電解質調節を介した昇圧系としての意義のみならず,近年,アンジオテンシンIIならびにアルドステロンそのものによる心血管系,腎への直接的臓器障害が明らかにされている.降圧剤として,アンジオテンシン受容体拮抗薬(angiotensin receptor blocker,ARB)のみならず,選択的抗アルドステロン薬も開発され,その顕著な臓器保護効果が明らかとなってきている.また,二次性高血圧の成因として原発性アルドステロン症が,比較的高頻度であることが明らかにされ,高血圧患者のスクリーニング検査としてのアルドステロン測定の重要性が増している.
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