特集 ホルモンと生理活性物質
各論
6.副腎皮質ホルモン系
6)デヒドロエピアンドロステロン(DHEA),DHEA-S
佐藤 文三
1
Bunzo SATO
1
1日生病院第3内科
pp.134-136
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902198
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生合成・分泌・機能
1.生合成
デヒドロエピアンドロステロン(dehydroepiandro-sterone;DHEA)は主に副腎から分泌されるステロイドであり,その硫酸基結合型がDHEA-sulfate(DHEA-S)である.副腎細胞は血中のLDLやHDLを受容体依存性に取り込み,これらのリポ蛋白に含まれているコレステロールをステロイド合成の基質としている.コレステロールは,下垂体からのACTH刺激により複雑な過程を経てプレグネノロンへ転換されていく.さらに17α-ヒドロキシラーゼの作用により17α-ヒドロキシプレグネノロンに,次に17,20リアーゼの作用によりDHEAに合成されていく.DHEAは副腎内でDHEA-Sにまで転換しうることが知られている.DHEAはアンドロステンジオンや11β-ヒドロキシアンドロステンジオンへも転換しうる.
ここで注意をしておかなければならないのは,プレグネノロンはプロゲステロンへ代謝され,最終的にはコルチゾールやアルドステロンなどの重要なステロイドホルモンの基質にもなっていることである(図1).プレグネノロンからコルチゾールへの転換に関与する酵素(例えば21-ヒドロキシラーゼ)が欠損している患者では,コルチゾール産生が低下することによりACTHの分泌が亢進し,結果的にプレグネノロンからDHEAへの転換が著増することになる.
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