病気のはなし
EBウイルス関連の悪性リンパ腫
島津 浩
1
,
大田 泰徳
1
1虎の門病院診療技術部病理部
pp.1268-1273
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102649
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
サマリー
エプスタイン・バーウイルス(Epstein-Barr virus,EBV)は,わが国において成人のほぼ100%に感染しているウイルスである.通常はB細胞に潜伏感染しているが,活性化してくるとB細胞を不死化して増殖し,悪性リンパ腫を引き起こす.さまざまなリンパ腫が発症するが,大きく分けて免疫抑制状態に関与するものとしないものがあり,医療の高度化や高齢化に伴って前者の重要性が増している.EBVのリンパ腫への関与についての直接的な証明は病理切片上におけるEBER(EBV encoded RNA)の施行が一般的である.臨床的には進行の早いものも多く,迅速な診断・治療が望まれる疾患である.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.