増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学
III 一般検査
各論
1 尿沈渣
宿谷 賢一
1
,
田中 雅美
1
,
下澤 達雄
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1028-1033
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102576
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はじめに
簡便・迅速・低コスト,かつ患者に対して非侵襲的である尿沈渣検査は,腎・泌尿器疾患におけるスクリーニング検査として意義は高い.『尿沈渣検査法2000』の発刊から約10年を迎え,尿路の腫瘍細胞の検出については,スクリーニング検査の目的以上の検査結果を臨床へ提供可能な施設もあり,尿沈渣検査の鑑別技術の向上が裏づけられている.しかしながら,臨床の場において腎・尿路系疾患の診断・治療における尿沈渣検査の意義づけが明確にされていない部分もあり,臨床的有用性を明確にする必要がある.
本稿では,腎・泌尿器疾患,代謝疾患,感染症を中心に尿沈渣成分から推定できる病態と病期について解説する.
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