Laboratory Practice 〈病理〉
乳腺穿刺細胞診での筋上皮細胞の見分け方
伊藤 仁
1
1東海大学医学部付属病院病理検査技術科
pp.451-455
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102443
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はじめに
わが国において,乳癌は女性の癌のなかで最も高い罹患率となっており,乳癌で亡くなる患者数も増加の一途を辿っている.また,乳房温存療法の普及,術前化学療法の適応,抗体療法の登場など,治療法は大きく変遷してきており,乳癌診療における病理学的診断の重要性はますます高まってきている.
乳癌は他臓器に発生する腺癌に比べ,組織像が多彩であり,小型で細胞異型に乏しい癌が多い.また,良性病変,悪性病変ともに類似の組織像を示し,異型度の差異が小さいなどの理由から乳腺細胞診のみならず,組織診においても診断が難しい領域と認識されている.
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